いうまでもないことだが、ロシアにはアルコール飲料以外の飲み物も当然存在したし、現に存在している。これはまだソ連があった1991年に発見したソ連製のコカコーラとペプシコーラ。どちらも原液を輸入してソ連国内で瓶詰めして販売していた。注意してみると、どちらもモスクワのビール−無アルコール・コンビナートというところで製造されていることが分かる。コカコーラとペプシコーラの両方を製造しいる工場って、たぶん世界中でここだけだと思う。とはいえこれは過去の話。いまはロシア国内でもヨーロッパから「本物」のコーラが輸入されている。

　もちろんコカコーラやペプシコーラは外国製品だが、純ロシア製のコーラも存在する。「バイカル」というのがそれで、コカコーラを少し薄くした感じでなかなか飲みやすい。

　とはいえ、やはりコーラは外来の飲み物だ。ロシア古来の飲み物としては「クワス」がある。普通クワスはタンクローリーで売りにくるのだが、たまには瓶詰めのものもある。

　クワスと同様にロシアの伝統的な飲み物は、蜂蜜を発酵させて作る「メドヴーハ」だ。自分の家で作ることが多いせいか、なかなか市場に出回らないのが外国人の私にとっての悩みの種だ。

　また、水の質が悪いせいか、ミネラル・ウォーターもよく売られている。多くはガス入りで、栓を抜くとサイダーのように泡が出る。